遺言とは
遺言とは、遺言者の死亡によって一定の法律効果を発生させることを目的とする行為のことをいいます。所有財産の処分の自由を死後にまで認める制度であり、相続に際して争いが起こらないよう財産を整理し、承継者を決めておくことなどが出来ます。
遺言には一般に次の3つの方式があります。
1 自筆証書遺言:遺言者が自筆で内容、日付、氏名を書いたもの
2 公正証書遺言:公証人が作成する公正証書によってするもの
3 秘密証書遺言:遺言書に封をし、公証人により公証されたもの
遺言には書式は定められておりませんので、内容が特定でき、日付と氏名が記載されていれば一応は成立しますが、後のトラブルなどを防止するためにも公正証書遺言にしておくことをお勧めします。
遺言執行者
遺言執行者とは、遺言の効力が生じた後に、その内容を法的に実現するために必要な行為や手続をする者として、遺言で指定又は家庭裁判所で選任された者のことをいいます。遺言執行者は、相続財産の管理、その他遺言の実現に必要な一切の行為をする権限を有します。
遺留分について
遺留分とは、一定の相続人が、相続に際して法律上取得することを保障されている、相続財産の割合のことをいいます。遺留分権利者は、相続人のうち、子などの直系卑属、直系尊属、配偶者で、兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分の割合は以下のとおりです。
・直系尊属のみが相続人である場合 :相続財産の1/3
・直系卑属又は配偶者が相続人である場合:相続財産の1/2
遺留分権利者が遺留分を請求するためには、遺留分減殺請求を相手方(他の相続人など)に行えばよく、必ずしも裁判等による必要はありません。ただし、後のトラブル防止のために、内容証明郵便で送るようにしましょう。
遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与・遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないときは、時効によって消滅します。また、相続開始時から10年が経過したときも同様に消滅します。
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